F1中継が地上波で放映されなくなって久しく、映像の情報源はYoutubeを始めとした動画配信サービスという方が多いのではないでしょうか。特に結果の速報には日本語の実況がついていない場合も多いと思います。
『結果はなんとなくわかるけど途中で起きていることも現地の英語実況を通して理解したい!F1の英語実況を通して英語を勉強したい!』
そんな方に向けて実際のF1実況動画に登場する英語表現について取り上げていきたいと思います。
今回の実況動画
今回は2021年シーズン F1モナコGPハイライトシーンのこちらを取り上げました。
Race Highlights | 2021 Monaco Grand Prix
※引用元:F1公式Youtubeチャンネル(https://youtu.be/GK5qm8AZ1dQ)より
Scene1 スタート直後
まずは、0:19~1:00のスタート直後のシーンを見ていきます。
スクリプト&語句
<スクリプト>
実況者:
”It’s lights out and away we go①!”
(ライトが消えて、さあスタートです!)
”Bottas got away well. Verstappen comes over to cover him and does cover off② the Mercedes into Sainte Devote③.”
(ボッタスがうまくスタートしました。フェルスタッペンが彼をブロックするように来ます。そしてメルセデスも前にならってサン・デボーテに入ってきます。)
”Bottas locks up④. He’s in second. Carlos Sainz third.”
(ボッタスがブレーキロックしています。彼は2番手。カルロス・サインツが3番手に続きます。)
”Then comes Lando Norris, taking the inside line⑤. There was Esteban Ocon in the Alpine and not exactly on the track, as up through Massenet⑥ they go now.”
(続いてランド・ノリスがインを突いてやってきます。アルピーヌのエステバン・オコンはちょっとコースを外れているようです。現在、彼らはマスネへと向かっています。)
”It’s Max Verstappen that leads. Sergio Perez having a bit of⑦ a tussle⑧ there with Esteban Ocon in the Alpine. Perez, I think, just staying ahead⑨ of Esteban Ocon, as down now, towards the Loews hairpin we come.”
(首位はマックスフェルスタッペンです。セルジオ・ペレスがアルピーヌのエステバン・オコンとちょっとした縄張り争いを繰り広げています。ペレスはエステバン・オコンに先を越されないようにしているようです。さあ下りに差し掛かり、ローズヘアピンへやってきます。)
”It’s Verstappen from Bottas. Then comes Sainz and then comes Norris. After Norris, Pierre Gasly, then Lewis Hamilton and Lance Stroll.”
(フェルスタッペンに続いてボッタス。それからサインツ続き、ノリスが続きます。ノリスの後には、ピエール・ガスリー、ルイス・ハミルトン、ランス・ストロールが続きます。)
<主な語句>
①away we go = さあ出発だ
②cover off = 前の者にならう
③Sainte Devote = サン・デボーテ(モンテカルロ市街地コース第1コーナーの通称。付近にある聖デボーテを祀る教会が由来。)
④lock up = ブレーキロックする
⑤take the inside line = インを突く
⑥Massenet = マスネ(モンテカルロ市街地コース第3コーナーの通称。付近にあるオペラ作曲家のジュール・マスネの胸像が由来。)
⑦a bit of~ = 少しの~、ちょっとした~
⑧tussle = 縄張り争い
⑨stay ahead of~ = ~に追い越されないようにする
Scene2 ゴール
続いて、4:06~4:29のフェルスタッペンのゴールシーンを見ていきます。
スクリプト&語句
<スクリプト>
実況者:
”Max Verstappen past the point where he’s had a couple of① crashes in the past but nothing has arisen② this year to spoil③ Max Verstappen’s party.”
(マックス・フェルスタッペンが過去に何度かクラッシュした地点を通過しました。今年はマックス・フェルスタッペンのパーティを台無しにするようなことは何も起きていません。)
”This is going to be his first podium④ in Monaco. It’s his first win in Monaco! Max Verstappen leads the World ChampionShip and wins the Monaco Grand Prix! What a day⑤ for Red Bull!”
(彼のモナコでの初めての表彰台になるでしょう。モナコでの初勝利!マックス・フェルスタッペンがワールドチャンピオンシップの首位に立ち、モナコグランプリで勝利をあげました!レッドブルにとってなんて日だ!(なんてすごい日になったんだ!))
<主な語句>
①a couple of ~ = 2~3の、何度かの
②arise = (自動)起こる。arisenは過去分詞形。
③spoil~ = ~を台無しにする
④podium = 表彰台
⑤What a day! = なんて日だ!
Scene3 フィニッシュ後のフェルスタッペンの個人無線でのやり取り
最後は4:48~5:04で勝利後にチームスタッフと無線で喜びを分かち合うシーンです。
スクリプト&語句
<スクリプト>
チームスタッフ:
”Max, that is a fabulous① drive, mate②, and you’re a Monaco Grand Prix winner. Fantastic③!”
(マックス、すばらしいドライブだったよ相棒!そして君がモナコグランプリの勝者だ。すばらしい!)
フェルスタッペン:
”Hahaha. Yes! Oh, nice race. Haha. Well done. I think we managed④ that really well, guys. Oh, super happy! Haha!”
(ハハハッ! イエス!あー、いいレースだった。ハハッ。よくやったよね。本当にみんなよくやったと思うよ。あー、めちゃくちゃ幸せだよ!ハハッ!)
<主な語句>
①fabulous = すばらしい
②mate = 相棒、友達、兄弟
③Fantastic! = すばらしい!
④manage~ = ~に対処する
おわりに
いかがだったでしょうか。
レース実況は息継ぐ間もなく早口で繰り出されるのと、倒置が頻繁に使われているので聞き取りづらい印象でしたが、あらためて見てみるとそれほど複雑なことは言っていないことがわかると思います。
これからもいろいろなレース実況で登場する英語をシェアしていきたいと思います!
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