MLB実況

【MLB実況を英語で観よう!】Vol.6 スワッテクダサイ!!!ジャアマタネ!!!

エンゼルス大谷翔平選手の活躍が目覚ましい2021年。
毎朝の野球ニュースを楽しみにしている人も多いですよね。

日本語訳がついたニュース動画もいいですが、現地の英語実況・解説を理解できるようになるとより一層楽しめると思います。

大谷選手を応援しつつ、野球実況を通して英語力も鍛えられれば最高!!
というわけで実際のMLB実況動画に登場する英語表現について取り上げていきたいと思います。

今回の実況動画

今回は大谷選手が2021年シーズン後半戦初めての二刀流で出場した際の動画(MLB公式動画より)を取り上げました。

引用元:MLB公式Youtubeチャンネル(https://youtu.be/su7dCJ7zsv8)より

動画のタイトルについて

 動画タイトル の
“Shohei Ohtani tosses 6 shutout innings! (Then stays in the game as an outfielder!)”
から見ていきましょう。
 登場する主な単語の意味は以下の通りです。

<主な語句>
①toss~ = (動)~を軽く投げる
②shutout(shut-out) = 完封
③inning = 回、イニング
④outfielder = 外野手

というわけで日本語にすると、
『大谷翔平が6回0封を軽々成し遂げた!(しかもそれから外野手として試合に出続けた!)※』
となります。
※英語ニュースでは過去の出来事でもタイトルには現在形が使われます。

それでは動画の内容に移りましょう。

Scene1 ピッチャー大谷その1

まずは0:00~0:37のピッチャー大谷の実況を見ていきましょう。
再生ボタンを押すと該当時間から再生されます↓

スクリプト&語句

スクリプトや登場する語句は以下の通りです。

<スクリプト>
■カナ選手との対戦シーン
実況者(play-by-play commentator) :
 ”Shohei Ohtani going to work on the mound for the 14th time this year…and the next payoff hurl. Got him swinging! Perfectly located heater on the outer half.”
(大谷翔平が今年14回目のマウンドにあがります。フルカウントから投げました。空振り三振! 快速球が外角に完璧にコントロールされていました。スワッテクダサイ!!!)

■チャップマン選手との対戦シーン
実況者:
 Swattekudasai!!! No.2 for Ohtani tonight.”
(スワッテクダサイ!!!
大谷、今夜2つ目の三振です。)

解説者(color/expert commentator)
 ”I like it, you know, that’s two strikeouts with his fastballs.”
(いいね、速球で奪った2つの三振だ。)

■ロレアノ選手との対戦
実況者:
 ”Second full count pitch on its way to Laureano with two out and a runner at second. He got him swinging!”
(2アウト、ランナー二塁でロレアノへの二回目のフルカウントでの投球です。空振り三振!)

解説者:
 ”Wow!”(ワオ!)


実況者:
“Threw him a nasty slider that was about three feet off the plate!”
(ホームプレートから3フィートくらい離れるえげつないスライダーを投げましたね!)



<主な語句>
①payoff = フルカウントからの投球(payoff pitch。payoff=清算するという意味から転じて)
②hurl =強く投げること
③locate~ = ~を置く
④heater = 快速球
⑤strikeout = 三振
⑥Got him swinging!= 空振り三振!
⑦nasty = 嫌な、いやらしい、すばらしい、えげつない
⑧slider =スライダー

補足説明 ~ locate ~

“locate~”は”~を置く”という意味になります。
馴染みのある言葉だと”location(ロケーション=場所)”というのがあると思うので、
そこから連想して、“locate” = “場所にあるようにする”= “置く”みたいな形だと
覚えやすいかもしれません。

例文)
The cram school is located in that new building in front of ABC station.
その塾はABC駅の前のあの新しいビルの中にある。

He located his new coffee shop on campus.
彼は大学構内に新しいコーヒーショップを構えた。

Scene2 バッター大谷

 続いては0:40~1:12のピッチャー大谷の実況を見ていきましょう。

<スクリプト>
実況者:
 ”Ohtani sends a ball into center field that’s gonna chase Laureano. Fletcher being waved. They’re gonna try it with Fletcher coming home. The throw to the plate is in time to get him!”
(大谷がセンターへ放ちロレアノが追いかける。フレッチャーは3塁を回っている(回れと合図されている)。ホームにやってくるフレッチャーを捕殺しようとする。ホームへの送球は彼をアウトにするのに間に合った!)

解説者:
 ”Boy! How many times we’ve seen that arm by Laureano! He got to that baseball, got it in quickly with cutoff man Elvis Andrus and he threw a perfect throw to the dish to get Fletch.”
(なんとまあ、ロレアノの剛腕はほんと何回も見てるね!(=ロレアノは何回も捕殺してるよね!) 彼は打球に追い付いて、中継のエルビス・アンドラスへ素早く送球し、アンドラスはホームへ完璧な送球をしてフレッチャーをアウトにしたね。)

<主な語句>
①wave~ = ~に手を振って合図をする(ここでは3塁コーチャーが合図して帰塁を指示している)
②boy = (間投詞)おや、なんとまあ
③cutoff man = 中継する選手
④dish = ホームベース

Scene3 ピッチャー大谷その2

 続いて、1:13~2:50のピッチャー大谷シーンその2です。

<スクリプト>
■アンドラス選手との対戦
実況者:
 ”Kemp and Canha board with one gun. He struck him out!”
(ケンプとカナが得点圏にいます。三振に討って取りました!)

解説者:
 ”Nasty slider! He’s throw two unbelievable sliders tonight. There, foul tip hung on by Kurt Suzuki and the one to Laureano. Wow!”
(えげつないスライダー!彼は今夜信じられないスライダーを二つ投げたね。ほら見て!カート・スズキにつかまれているこのファウルチップ。そしてロレアノへ投げたスライダーだ。ワオ!)

■マーフィー選手との対戦
実況者:
 ”3-2 pitch! Got him!”
(カウント3ボール2ストライクから投げた!三振!)

■ケンプ選手との対戦
実況者:
 ”And here’s his 3-2 to Tony Kemp. He got him!”
(カウント3ボール2ストライクでトニー・ケンプを追い込んでいます。三振!)

■カナ選手との対戦
解説者:
 ”Oh! Wow!”
(おお!ワオ!)


実況者:
 ”Got him!”
(三振!)

解説者:
 ”That splitter was ridiculous! He hadn’t thrown Matthew. That was at 90! That’ll make you smile as a pitcher.”
(あのスプリッターは意味不明だよ! マシュー(オルソン)には投げていなかったよ。90マイルだったね!ピッチャーとして笑顔にさせてくれるね。)


■アンドラス選手との対戦
実況者:
 “JYAAMATANE!!!”
    (ジャアマタネ!!!)


解説者:
 ”That’s respect. He’s looking out. He goes, ‘Yeah, you got me on that one. You made the adjustment.’ He threw a slider one before, hanging slider, he came back with a wicket slider to get the punch-out. It’s a great reaction by Andrus. He goes, ‘Yep, that’s a pretty good adjustment’, ha”
(敬意を示してるね。外を見て、『ああ、あのスライダーでやられちゃったよ。うまく調整したね。』って言ってそうだね。一球前のスライダーはキレが悪かったんだけど、三振が取れるえげつないスライダーで戻ってきたね。アンドラスはいいリアクションだよ。『うん、いい調整能力だね』って言ってそうだ笑)


実況者:
 ”I mean, Gooby, we’ve seen this before, man, they come in binges for him when the strikeouts start coming second and third time through the order. He struck out four in a row dating back to the fifth inning.”
(あの、グービー(=解説のMark Gubicza)、僕らは、オーダーを通して三振が2回、3回と出始めると大谷のことでどんちゃん騒ぎするのを前にも見たことがありますね。5回まで遡ると彼は4人連続で三振を取りました。)

■ラウリー選手との対戦
実況者:
 ”A ball and a strike, two out, runner at first in a scoreless tie. Back to Shohei and he’ll just take it to the house. “
(0対0、1ボール1ストライク、2アウト、ランナー一塁。(ピッチャー返しでボールが)翔平に戻ってきた。彼はそのボールを観客へ投げようとしています。)

解説者:
 ”He’s going to the end zone! Touchdown, Ohtani!”
((ベンチへ戻る様子をアメフトに見立てて)エンドゾーンへ向かう!タッチダウン、大谷!)


<主な語句>
hang on~ = ~にしがみつく、~をしっかりつかむ(hung on=しっかりつかまれる)
There = そら!それ見ろ!
splitter = フォークボール、スプリット
ridiculous = ばかばかしい、おかしい
go “~”= 『~』と言う
You got me. = やられたー
hanging slider = キレの悪いスライダー
 (英語解説:A slider that doesn’t break as much as a pitcher hopes is referred to as a “hanging slider” or a  ”hanger” and is much easier for the batter to hit because of its straight trajectory and sub-fastball velocity. 引用元:MLB公式ホームページ(https://www.mlb.com/glossary/pitch-types/slider))

break = (自動)よく曲がる、キレがある
wicked = 邪悪な、意地悪な
punch-out = 三振
man = (間投詞)ねえ
binge = どんちゃん騒ぎ、度を越えた楽しみ
in a row = 連続で(“in a row”についてはこちらの記事で詳しく解説しています)
date back to~ = ~に遡る
scoreless = 無得点の
tie = 同点
house = 観客

Scene4 ライト大谷

 最後は2:51~ライトの守備へつく大谷選手を紹介している場面です。

<スクリプト>
実況者:
 ”A scoreless tie and Shohei Ohtani is done for the night on the mound but we’ll still see more of him in the game because he’s taking over in right field making his fifth appearance in right field this year. He’s logged in just over five innings at that spot this season and Joe Maddon is going to try to coerce one more plate appearance out of Shohei Ohtani in a scoreless game to see if he can make an impact. We’re in the bottom of the seventh inning. This one’s been a blast.”
(スコアレスの同点で、大谷翔平はマウンドでの夜を終えました。しかし彼は今年5回目のライトの守備を引き受けたので、我々はまだ彼を見られるのです。彼は今シーズンちょうど5イニング以上このポジションで登録されていて、ジョー・マッドン監督は大谷がインパクトを与えられるか確認するために0対0のゲームで大谷翔平にもう一打席出てもらおうとしています。今は7回の裏です。すごく楽しいですね。)

<主な語句>
take over~ = ~を引き受ける、引き継ぐ
coerce~ = ~を強要する
plate appearance = 打席
in the bottom of ~ inning = ~回の裏に(ちなみに表はtop)
blast = 楽しいひと時

おわりに

 いかがだったでしょうか。payoffやdish等、野球実況で使用されると普段馴染みのものとは意味が変わったり、変化球の凄さや三振にもいろいろな表現方法があるのが面白いですよね。それにしても実況者が時々織り交ぜる日本語のクセがすごいですね笑

おまけ~投手成績の見方~

 大谷選手がライトの守備についた際に下記のような形で今日の投手としての成績が画面上に出てきていますがそれぞれの意味について見ていきましょう。

引用:MLB公式動画Ch(https://youtu.be/su7dCJ7zsv8)より


投手成績に関する各略語の意味は以下の通りです。

略語 意味
IP 投球回数(Innings Pitched)
H 被安打(Hit)
R 失点(Runs)
ER 自責点(Earned Runs)
BB 与四球(Base on Balls)
K 奪三振数(なぜKなのかは、strucKのKやKnock outのKなど諸説あり)


※先発数等シーズンを通しての成績関連でよく登場する指標については
こちらの記事の補足説明をご覧ください。

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