エンゼルスの大谷翔平選手が大活躍のMLB。
毎日の野球ニュースを楽しみにしている人も多いですよね。
日本語訳がついたニュース動画もいいですが、現地の英語実況・解説を理解できるようになるとより一層楽しめると思います。
大谷選手を応援しつつ、野球実況を通して英語力も鍛えられれば最高!!
というわけで実際のMLB実況動画に登場する英語表現について取り上げていきたいと思います。
今回の実況動画
今回は大谷選手が2023年シーズン開幕戦に投打二刀流で出場したこちらの動画(MLB公式動画より)を取り上げました。
引用元:MLB公式Youtubeチャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=jLEPwJd8PDY)より
動画のタイトルについて
動画タイトルの
“ShOpening Day①! Shohei Ohtani strikes out② 10 in 6 shutout③ innings!”
から見ていきましょう。
<主な語句>
① opening day = [名]開幕戦
② strike out = [動]三振を取る
③ shutout = [名]完封
というわけで、こちらの動画タイトルを日本語にすると、
『翔プニングデイ!(翔平の開幕戦!) 大谷翔平が10奪三振、6回を完封!(6つの完封イニングで10個の三振を奪った※)』
となります。
※英語ニュースでは過去の出来事でもタイトルには現在形が使われます。
『開幕戦』って英語で何て言う?
『開幕戦』は英語だと“opening day”と表現されます。もともとは文字通り『開会日』や『開業日』という意味がありますが、スポーツの話題で用いられると『開幕戦』という意味になります。
ここでは”Shohei”と”opening day”を掛けて”ShOpeningday”と駄洒落っぽい表現でタイトルに登場しました。
それでは動画の内容に移りましょう。
Scene1 大谷投手2023年シーズン最初の奪三振
まずは0:00~0:18のシーン。
いよいよ開幕した2023年シーズン。
先発投手兼DHの二刀流として開幕戦に出場した大谷選手がシーズン1,2個目の三振を奪います。
再生ボタンを押すと該当時間から始まります↓
スクリプト&語句
スクリプトや登場する語句は以下の通りです。
<スクリプト>
実況者(play-by-play commentator):
“Dots① the outside corner with a fastball②. Strike three call.
There’s the first strikeout③ for Shohei Ohtani on the mound in 2023 as
he punches out④ Díaz.”
(速球が外角のコーナーに決まりました。三振です。
ディアスを倒し、マウンドの大谷翔平にとって2023年最初の奪三振になりました。)
解説者(color/expert commentator):
“97 mile an hour paint right on the outside corner. No question⑤ that’s in the strike zone.”
(時速97マイルの球がちょうど外角のコーナーに決まりました。間違いなくストライクですね。)
実況者:
“Ohtani’s gone to a full count with Ramón Laureano.
And he strikes him out with the slider.
Good pitch by Ohtani. A tight⑥ slider. That’s the tightest one we’ve seen yet
as Laureano whiffed⑦ on a ball that landed in the strike zone.”
(フルカウントからラモン・ロウレアーノに投げました。
スライダーで三振を奪いました。
大谷のナイスピッチングでした。内角への(内角から曲がる)スライダー。今まで見た中で最も内角寄りのスライダーがロウレアーノが空振り三振した時にはストライクゾーンに収まっていました。)
<主な語句>
① dot ~ = ~に点を打つ
② fastball = 速球、ストレート
③ strikeout = 三振
④ punch out ~ = ~を叩きのめす
⑤ There’s no question that ~ = ~ということに疑いの余地がない
⑥ tight = (野球で用いられる場合)内角の
⑦ whiff = 空振り三振する(スラング)
“whiff”ってどういう意味?
“whiff”とは『空振り三振する』という意味で動詞としては自動詞他動詞どちらの意味でも用いられ、『空振り三振』という名詞で用いられることもあります。
“whiff”の本来の意味は『(たばこ等)をふかす』や『ひと吹き、気配』等ですが、スラングとしてこのような意味で用いられます。
<whiffの例文>
例文:He whiffed on a nasty slider.
和訳:彼はエグいスライダーで空振り三振した。
例文:He whiffed two hard hitters in a row.
和訳:彼は強打者二人から連続で空振り三振を奪った。
Scene2 大谷選手 2023年シーズン初ヒット
つづいては、1:08~1:34のシーン。
4回表の第二打席、大谷選手の2023年シーズン初ヒットが飛び出します!
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スクリプト&語句
スクリプトや登場する語句は以下の通りです。
<スクリプト>
実況者(play-by-play commentator):
“There’s Ohtani with the ground ball① sharply hit in the right center field② a base hit! Trout will hold its second, not going to challenge the arm③ of Laureano. Remember the shift is gone and that certainly could open up the right side as Shohei Ontani. It’s a 111 mile an hour bullet④ through the right side.”
(大谷の右中間への鋭いゴロでヒットを放ちました!トラウトはロウレアーノの肩とは勝負せず、セカンドで止まるでしょう。大谷翔平のときは守備シフトが解かれて、確かに右側が空くことを思い出してください。)
解説者(color/expert commentator):
“You’re throwing a 98 mile an hour fastball and you hit 111 off the bat. I mean that’s the amazing thing about Shohei Ohtani.”
(時速98マイルのストレートを投げて、111マイルの打球を放つ。私が言いたいのは、それが大谷翔平についての素晴らしいことだということです。)
<主な語句>
① ground ball = ゴロ
② right center field = 右中間
③ challenge the arm = 肩と勝負する
④ bullet = 銃弾、弾丸のような打球
『肩と勝負する』って英語で何て言う?
『肩と勝負する』は“challenge the arm”と表現されます。『肩』なので”shoulder”かと思いきや、”arm”が使われるのがミソです。
日本語だと、強い球を投げるという意味で野手は『強肩』、投手は『剛腕』等と表現されますが、大枠の意味に変わりはないので英語だとどちらの意味でも『腕』で表現されるイメージを持つとよいかもしれません。
Scene3 奇跡!?スーパーノールックキャッチ!
つづいては、2:25~3:04のシーン。
この試合で大きな話題となったレンフロー選手のノールックキャッチのシーンです。
何度見ても凄いプレーです…笑
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スクリプト&語句
スクリプトや登場する語句は以下の通りです。
<スクリプト>
実況者(play-by-play commentator):
“High fly ball to right from Peterson. Hit well. Renfroe got turned around① and somehow② still made the catch③! What was that!? Hunter Renfroe! Kind of a noble④ catch!”
(ピーターソンの打球がライトへ高く上がる。強い当たりです。レンフローが見失っていましたが、何とかキャッチしました!何だあれは!?ハンター・レンフロー!ちょっとすごいキャッチです!)
解説者(color/expert commentator):
“The other way over to Kevin Mitchell, but this time he used a glove instead of the bare hand⑤. And he’s still smiling so would Shohei.”
(ケビン・ミッチェルとは逆方向ですが、今回、彼は素手の代わりにグローブを使いました。まだ笑っていますね。大谷も笑っているんでしょうね。)
実況者:
“That was ridiculous⑥!”
((リプレー映像を観ながら)そんな馬鹿な!(信じられないプレーです!))
解説者:
“Hahaha. Look at this play. He’s throwing the glove out just in case⑦. Ho-ho-ho. Hahaha, oh, Kevin Mitchell’s saying, ‘You know what?⑧ All right. The glove is better than the bear hand.’ That was almost the same type of play.”
(ハハハッ。このプレーを見てください。一か八かで(念のため、万が一を信じて)、グローブを投げだしていますね。ホッホッホ。ハハハ、ああ、ケビン・ミッチェルが『あのね。わかった。グローブは素手よりも優れているんだよ。』と言ってますよ。ほとんど同じような種類のプレーですね。)
<主な語句>
① get turned around = 道を見失う、迷子になる
② somehow = どうにかして
③ make the catch = 捕球する
④ noble = 素晴らしい
⑤ bare hand = 素手
⑥ ridiculous = 馬鹿げている、おかしい
⑦ just in case = 念のため、万が一に備えて
⑧ You know what? = あのね、あのさあ
『素手』って英語で何て言う?
『素手』は英語で“bare hand”と言います。”bare”とは『むきだしの、裸の』という意味の形容詞で、”bare hand” = 『むきだしの手』=『素手』となります。
※熊の”bear”と発音は同じですがスペルが違うのでご注意ください。
ケビン・ミッチェルの素手キャッチとは?
解説の方が触れていたケビン・ミッチェルさんとは、元MLBの外野手でレフトフライを素手でキャッチしたことでも話題になった方です(NPBのダイエーホークスにも一時期在籍されていました)。このプレーもめちゃくちゃ凄いですよね。
下記動画の0:06~0:07あたりで”And he makes a barehanded catch!(素手でキャッチした!)”と実況されています。”barehanded”は『素手の』という意味の形容詞です。
【 #名シーン 】1989年の #ジャイアンツ 、ケビン・ミッチェル外野手がレフトフライを素手でキャッチしました⚾ pic.twitter.com/HLrKmhgbrP
— MLB Japan (@MLBJapan) November 30, 2020
Scene4 本日10個目の奪三振!
最後は大谷選手が本日10個目の三振を奪う3:13~3:27のシーンです。
スクリプト&語句
スクリプトや登場する語句は以下の通りです。
<スクリプト>
実況者(play-by-play commentator):
“Great opening night for Shohei. Swing and a miss! Strike three!
A 10-strikeout opening act in 2023 for Shohei Ohtani!
6 scoreless and the Angels in front by one①.”
(翔平の素晴らしい開幕試合の夜です。空振り!三振!大谷翔平の、10個の三振を奪う2023年シーズン開幕戦での活躍!6回を完封し、エンゼルスが1点差でリードしています。)
<主な語句>
① in front by one = 1点差でリードしている
おわりに
ついに開幕した2023年シーズン。
WBCの勢いそのままに素晴らしい活躍を見せてくれた大谷選手でしたが、残念ながら大谷選手の降板後、チームは逆転負けを喫してしまい勝ち星は尽きませんでした、、
次回の登板では是非勝ち星がついてほしいですね!
おまけ:『持ち球』って英語で何て言う?
下記で大谷選手の球種の比率を示した際にも登場するように、『持ち球』は英語で“arsenal”と言います。
本来は『武器庫』等の意味がありますが、そこから転じて野球では『持ち球』という意味で用いられるようになりました。
引用元:MLB公式Youtubeチャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=jLEPwJd8PDY)より
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