次に言うことを考えていたり、思い出せない時って沈黙になりがちですよね。
日本語はもちろん、それが英語となると尚更その沈黙タイムは長くなるばかり。。
理想とする自然な会話からはかけ離れ、気まずい雰囲気が流れていってしまいます。
『とりあえず沈黙だけは回避して、なんとか間をつなぎたい!!」
『会話のラリーを続けたい!!』
そんな方に向けて、会話中の間をつなぐ言葉(英語では”Fillers”と言います)やフレーズ、活用法をまとめてみました。
1. つなぎ言葉で脱サイレント!~知識編~
まずは知識編です。間をつなぐのに便利なフレーズを種類別にご紹介します。
① とにかく音を出すのがほぼメインの『えーっと』『あのー』系
もちろん音を出すだけではく、”I mean”=『つまり』等ちゃんと意味を持っているのですが、頻出すぎてほぼただの音として捉えられている(←私の独断と偏見です)ようなフレーズを挙げてみました。
Um、Uh、Well
音を発するだけの『ああ』『うーん』『えーっと』の英語版がこちらです。
you know
『えーっと』と言えば真っ先に思いつくのが”You know”ではないでしょうか。
ネイティブの人が使っているのをよく耳にしますよね。
『えーっと』とか『わかるでしょ』が対訳にあたります。
ただ、日本語で『えーっと』を使いすぎると聞き手の耳にそればかり残って話が入ってこないのと同じく、”You know”の使い過ぎには要注意。
この後で紹介する他の『えーっと』フレーズを覚えてうまくローテーションさせましょう。
また、カジュアルな言葉なのでフォーマルな場には適しません。
例文:”I met him in the park, you know, ABC park.”
訳:『彼と公園で会ったよ、えーっと、ABCパークで。』
like
“その”とか“的な”に該当するのがこの”like”です。若者言葉なので、こちらもフォーマルな場には適しません。
例文: “She is like…cute, like, I feel happy when I chat with her.”
訳:『彼女は、なんというかその…可愛いよ。その…彼女とおしゃべりしていると幸せみたいな。』
I mean
『つまり』とか『要するに』に該当するのが”I mean”です。
これまた使い過ぎには要注意です。『要するに』ばっかり言う人、日本語の会話でもよく居ますよね。『要するに』ばっかり気になって、『全然要約できてないじゃん!』って突っ込みたくなるパターンになります。
例文: “My feeling is like a clear sky. I mean, I feel so much better.”
訳:『僕の気持ちは晴れ渡った空みたいだよ。つまり、めちゃくちゃすっきりした気分なんだ。』
明確に自分の話している要点を整理する際の仕切り直し言葉としては、“My point is ~.”という表現を使うとよりメリハリがつきます。
② 話す内容を思い出している時
話していて、名前や場所などを思い出せずに詰まっちゃうことありますよね。
そんな時に使えるのが下記のフレーズです。
What/When/Who was that?…
文字通り、『何だったっけ?』『いつだったっけ?』『誰だったっけ?』にあたるのがこれらのフレーズです。
英会話に慣れないうちは英語でしゃべっていても、『何だっけ?』だけ日本語になっちゃったりしますが、是非こちらのフレーズを活用しましょう。
例文: “I met him. Ah, who was that?…yeah, Hiroshi!”
訳:『彼と会ったよ。えーっと誰だっけ?…そう、ヒロシ!』
whatchamacallit
日本語で名前を思い出せない時の『あれ』にあたるのが”whatchamacallit”(what you may call itの短縮表現)です。発音は『ワッチャマコーリッ』という感じに聞こえると思います。
例文: “You can open the can with the whatchamacallit.”
訳:『あれを使えばその缶を開けられるよ。』
例文: “We had a lunch at that restaurant you recommended, um, whatchamacallit?”
訳:『昨日、君がおすすめしてくれたレストランでランチしたよ。あの、何っていう所だっけ?』
something something
『何とかかんとか』や『ほにゃらら』にあたる単語がこちらです。日本語同様に何の説明にもなっていませんが思い出せない時の咄嗟の一言として使えます。
例文: “I watched the TV show called something something.”
訳:『何とかかんとかってテレビ番組を観たよ』
③ どのように説明すればよいか考えている時
How should I explain this? / How should I say this?
『どう説明すればいいんだろう?』『どう言えばいいんだろう?』にあたるのがこのフレーズです。
“How should I explain this?”の後は
“I think it’s so complicated.”(とても複雑な内容なんです。)や
“I’m not sure if I can explain this precisely, but I guess~”
(正確に説明できるかわかりませんが、~だと思います。)等で、
あなた自身が内容を説明することに不安があることを伝えた上でコミュニケーションを続けていくことで先につながる会話のラリーになります。
Where should I start?
『何から話せばいいんだろう?』にあたるのがこのフレーズです。
あなたの頭の中の整理がまだついていないことが相手にも伝わるので
そのまま困っている様子であれば”What happened at first?”(最初に何があったの?)のような形で相手からのレスポンスも期待できます。
④ 意見の中身そのものを考えている時
Let me see / Let’s see
何か調べたり、確認しながらの『えーっと』は”Let me see…”や”Let’s see…”が該当します。
<例文>
A: “Where is the nearest park from here?”
B: “Let me see… it’s ABC park. It’s 5 minutes’ walk from here.”
<対訳>
A: 『ここから一番近い公園ってどこかな?』
B: 『えーっと(地図などを見ながら)、ABCパークだね。ここから歩いて5分だよ。』
Let me think about it.
『ちょっと考えさせてください』にあたるのがこのフレーズです。
その場ですぐの回答だけでなく『一旦持ち帰り検討させてください』というニュアンスとしても使えます。
That’s a good/difficult/tough question
『良い/難しい/タフな質問ですね』にあたるのがこのフレーズです。
『相手の質問内容を理解していますよ』というのを相手に伝えることもできますし、悩んでいる様子を見て相手からも補足をもらえるかもしれません。
⑤ 相手の質問がよくわからない時
返答に困っちゃうときって、言葉が出てこない時だけでなく質問が聞こえなかったり、忘れてしまったり、意図を理解できなかったりする場合もありますよね。
そんな時は、こちらのフレーズを使って、もう一度聞き返したり意図を確認しましょう。
Sorry?、Can/Could you say that again?
『もう一度言ってもらえますか?』にあたるのがこのフレーズ。
聞こえなかったりしてもう一度相手の質問を聞きたい場合に活用しましょう。
“Can you say that again, please?”のように”please”をつけると、より丁寧な言い方になります。カジュアルな場合には”What’s that?”もよく登場します。
もし聞き返すのに気が引けてしまう場合、
例えば電話やオンライン会議をしている際には上記のフレーズに
“I think the connection is not good.”(通信が悪いみたいです。)のような理由を付け加えるとそれほど臆せずに聞き返せるのではないかと思います。
You mean, ~ right?
『あなたがおっしゃっているのは~ということですか?』にあたるのがこのフレーズ。
相手の質問の意図や、話している内容がわからなくて返答に困る場合は、このフレーズを使って認識のすり合わせを行いましょう。また、その間に返答を考えることもできます。
<例文>
A:”I think we shouldn’t walk to the station from here. What do you think about it?”
B:”Um, you mean it’s difficult to get there on foot from here, right?“
A:”Yeah, I guess it takes a 50-minute walk at least from here. It’s too far, right?”
B:”Yeah, definitely. Let’s take a bus!”
<対訳>
A:『ここから駅までは歩かない方がいいと思うんだよね。君はどう思う?』
B:『うーん、ここから歩きだと難しいってこと?』
A:『うん、ここから歩きで少なくとも50分はかかると思うんだよね。遠すぎでしょ。』
B:『確かに。バスに乗ろう!』
知識編まとめ
さて、いろいろな種類の表現をご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
『返答を考えている』というシチュエーションに変わりはないものの、相手からすると何に困って返答に悩んでいるかが分かった方が安心しますし、手助けするような発言をしてくれることも十分あります。
ですので、できるだけ①(音がメインの『えーっと』『あのー』系)以外のフレーズを活用して、あなたが何に困って返答に時間がかかっているのかを相手に伝えること。これが会話中の沈黙を防ぐために重要なことだと思います(日本語でも同じですよね)。
2. つなぎ言葉で脱サイレント!~実践編~
さて、知識編でご紹介したフレーズを用いながら、具体例として下記の架空のシチュエーションで実践してみましょう。
<想定シチュエーション>
私が持っている『くさやチップス』という架空のお菓子について、友人のねこ氏から『どんな味なの?』と質問されている状況です。
(架空のお菓子『くさやチップス』を手に持っているごろうの所に、友人のねこ氏がやってきて話しかけるところからスタート)
青字:今回ご紹介したつなぎ言葉・フレーズ
(それ何?)
(『くさやチップス』だよ。)
(どんな味なの?)
(えーっと、複雑な味って感じかな。)
(もっと具体的に教えてよ。)
How should I explain this…
(難しい質問だなぁ。どう説明すればいいんだ…)
(おいしいの?)
(まあね。でも癖のある味だよ。
はいどうぞ(そう言って、お菓子をねこ氏に食べさせる)。)
By the way, where did you get such a weird snack?
(ありがと。(もぐもぐ…) あー、僕はあまり好きじゃないかも。。
ところで、そんな変わったお菓子どこで買ったの?)
(あー、どこだったけな。えーっと、ちょっと調べるね
(スマホで調べ始める)。)
(駅の近く?)
(そうそう。見つけた!XYZマートだ。)
(なるほど。あのお店は変わったお菓子たくさん置いてるもんね。)
What was that?
Uh, whatchamacallit.
It’s called “Something chocolate.”
This is no good… I can’t remember…
(うん。あと君が欲しがってたお菓子も買ったよ。
なんだっけ?
あれだよあれ。
『何とかチョコ』ってやつ。
だめだ…思い出せない…)
(たらこチョコ?)
(もう一回言ってもらえる?)
(たらこチョコ。)
(それだ!)
いかがでしょう?単なる『えーっと』の表現ではなく、何が原因で躓いているのかを相手に伝えるフレーズを用いることで相手とキャッチボールしながら会話を進められるイメージが何となくついたでしょうか?
3. おわりに
いかがだったでしょうか。
沈黙が怖いのは日本語も英語も同じで、本文でも触れたとおり、大切なのはそれでもなお、相手に自分が躓いている理由を何とか伝えて、コミュニケーションのラリーを続ける工夫ができるかどうかだと思います。
そのために、今回ご紹介したフレーズが少しでもお役に立てば幸いです。
P.S. それでもやっぱりボキャブラリーはめちゃ大事
私も含めて、英語学習者の方が返答に詰まってしまう場合って、『日本語で言いたいことは思いつくけど英語で何て言えばいいかわからないから』というボキャブラリー不足であることがほとんどなのではないかと思います。
ボキャブラリー対策は、月並みですが『ひたすら学習あるのみ』なんですよね。。
ただ、効率よくボキャブラリーを増やしたいのが人情ってものです。
そこでお勧めしたい学習法が英英辞典や英英単語帳を使った学習です。
英英辞典や単語帳では、調べたい単語の説明がさらに英語になっているため、英語で解釈・イメージする素地が付くと同時に、知っている英単語にたどりつくまでは調べ続けるため、ある種スパルタ的な学習を強制することになり、否が応にもボキャブラリーが増えていくんですよね。
とはいえガチの英英辞典はほんとに英語しか書かれていないので(当たり前ですが、、)、いきなり取り組むのは結構心が折れる苦行だと思います。
そこで、個人的にはまずは下記のような日本の出版社が出している英英単語本を活用するのが日本語も併記されており、取っつきやすくてよいと思います。
よろしければ活用してみてください。
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