エンゼルス大谷翔平選手が大活躍のMLB。
毎朝の野球ニュースを楽しみにしている人も多いですよね。
日本語訳がついたニュース動画もいいですが、現地の英語実況・解説を理解できるようになるとより一層楽しめると思います。
大谷選手を応援しつつ、野球実況を通して英語力も鍛えられれば最高!!
というわけで実際のMLB実況動画に登場する英語表現について取り上げていきたいと思います。
今回の実況動画
今回は大谷選手が2022年シーズン 投打二刀流で出場し第12号のホームランを放ったこちらの動画(MLB公式動画より)を取り上げました。
引用元:MLB公式Youtubeチャンネル(https://youtu.be/0dPJbjTp1kg)より
動画のタイトルについて
動画タイトル の
“Shohei doing Shohei things!! Shohei Ohtani pitches gem① AND hits homer② to help end Angels’ streak③! “
から見ていきましょう。
<主な語句>
① gem = [名]宝石
② homer = [名]ホームラン
③ streak = [名]連続
勝ち越しホームランって英語でなんて言う?
勝ち越しホームランは英語で“go-ahead home run”と言います。“go ahead”には”Go ahead, please.(お先にどうぞ。)”で同じみのように先へ進むという意味がありますが、そこから転じて野球で使われる場合は『得点がリードする、リードを奪う』という意味を持ちます。ホームラン自体の様々な表現はこちらをご覧ください。
“pitch a gem”ってどういう意味?
“pitch a gem”とは文字通り訳すと『宝石を投げる』となりますが、
これは宝石から展じて『(宝石のように輝くような)素晴らしい投球をする』という意味で用いられます。”a gem pitch”で『素晴らしい投球』のような形で名詞としても登場します。
というわけでこちらの動画タイトルを日本語にすると、
『ショーヘイらしさ全開!大谷翔平が素晴らしいピッチングを見せ、ホームランを放ち、エンゼルスの連敗ストップに貢献した!※』
となります。
※英語ニュースでは過去の出来事でもタイトルには現在形が使われます。
それでは動画の内容に移りましょう。
Scene1 この試合最初の奪三振
まずは0:07~0:28のシーン。投打二刀流で出場した大谷選手はこの試合1つ目の三振を奪います。
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スクリプト&語句
スクリプトや登場する語句は以下の通りです。
<スクリプト>
実況者(play-by-play commentator):
“The 1-2. Got him! Great start right there. Strike out number 1 for Shohei.”
(1ボール2ストライク。三振!素晴らしいスタートです。翔平が一つ目の三振を奪いました。)
解説者(Mark Gubicza, color/expert commentator):
“Not easy to strike out Devers and he got him with a split. He went splitter, splitter, splitter. Wow! You talk about some movement. And Devers, he looked back yo. ‘Where did that go?’ “
(デバースから三振を奪うのは簡単ではありません。スプリットで三振を取りました。スプリット、スプリット、スプリットで続けました。わお!動作でいうと、デバースは振り返って、『(ボールが)どこ行ったんだって?』となっていますね。)
<主な語句>
① split, splitter = スプリット。フォークボール。
② look back = 振り返る
Scene2 12号ホームラン
つづいては0:51~1:38のシーン。0-1で負けていた5回裏に第12号の逆転ホームランが飛び出します。
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スクリプト&語句
スクリプトや登場する語句は以下の通りです。
<スクリプト>
実況者(play-by-play commentator):
“Drives① that one, hit well, Shohei Ohtani has done it! He’s back in the saddle②! 2-1 Angels!”
(打ちました、大きな当たり、大谷翔平がやりました!またサドルに跨りました!(いつもの状態に戻りました!) 2-1でエンゼルス(逆転)!)
解説者(Mark Gubicza, color/expert commentator):
“Shohei! The home run! 2 run home run from fighting to the help he needed on a swing the other way left center! Sugoi! “
(翔平!ホームラン!逆方向の左中間へのスイングで戦いから彼が必要としていた援助へと変わる2ランホームラン!スゴイ!)
実況者:
“Incredible.”
(信じられない。)
解説者:
“There it is!”
((カウボーイハットを被る様子を見て)でた!)
実況者:
“Saddle up!③“
(馬に乗る準備!)
解説者:
“Rock and Roll cowboy! He’s still got that look. I wouldn’t mess with④ him right now. There he is, ‘I’m still locked in⑤.’ “
(ロックンロールカウボーイ!彼はまだ真剣な様子だね。私なら今はちょっかいは出さないないな。ほら、『俺はまだ集中してるんだ。』って感じだよ。)
<主な語句>
① drive ~ = [他]~をかっ飛ばす(自動詞の場合は”長打を放つ”)
② back in the saddle = いつも通りに戻る
③ saddle up = 準備する(≒get ready)
(ホームラン後に被るカウボーイハットに掛けた表現”saddle up”についてはこちらの記事の補足説明で詳しく説明しています)
④ mess with ~ = ~にちょっかいを出す
⑤ be locked in = 集中している
“back in the saddle”ってどういう意味?
“saddle”は自転車のサドルでお馴染みですが、もともとは馬の鞍を意味します。そこから『馬の鞍に戻る→ また馬に戻る → いつもの状態に戻る』と展じていったものと思われます。ここではホームラン後のカウボーイハットを被るパフォーマンスと掛けて、”saddle up”と同様に、”saddle”を使った表現を実況・解説のお二人が使っているようです。
例文:I needed to take a rest for a while, but I’m back in the saddle now.
和訳:しばらく休みが必要だったけど、今は復活したよ。
例文:He will get back in the saddle next month.
和訳:彼は来月復帰するだろう。
“mess with ~”ってどういう意味?
“mess”は自動詞として用いられる場合『混乱させる、干渉する』という意味があり、”mess with~”で『~に干渉する、ちょっかいを出す、盾突く』という意味になります。”mess”は名詞だと”ごちゃまぜの汚い、乱雑な状態”を意味するので、そこから連想すると覚えやすいかもしれません。
例文:Don’t mess with him or you will regret so much.
和訳:彼にちょっかいを出すと後悔するよ。
“be locked in”ってどういう意味?
“be locked in”は文字通り、『何か閉じ込められている』ことを意味しますが、そこから転じて『集中している状態』を表します。
Scene3 気迫あふれる奪三振ショー
つづいては2:38~3:23のシーン。勝利への強い想いが感じられる感情爆発の奪三振ショーです。
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スクリプト&語句
スクリプトや登場する語句は以下の通りです。
<スクリプト>
実況者(play-by-play commentator):
“Here’s the 3-2. And he got him! “
(3ボール2ストライク。三振!)
解説者(Mark Gubicza, color/expert commentator):
“Yeah, look at that emotion. Shohei! 98! On your radio dial.”
(うん、あの感情(気迫)を見てよ。翔平!98マイル!ラジオのダイアルは98で。)
実況者:
“Let’s just call it 98.1. Smooth velo jazz there.”
(ダイアルは98.1と呼びましょう。スムーズな速度のジャズが聴けます。)
解説者:
“Yes.”
(そうだね。)
実況者:
“Five strikeouts for Ohtani.”
(大谷の5個目の奪三振。)
解説者:
“I’m loving the emotion that Shohei shows over last year plus.”
(翔平が去年から一年以上にわたって見せてくれている感情が大好きなんだ。)
実況者:
“Pitch V-Low. Exit V-Low. Here comes pitch No.100. The 1-2. And he got him!”
(ピッチング V-Low((ラジオの件から通信用語のV-Low帯veloと掛けているものと推察))、バッティング(打球の出口速度) V-Low、これが100球目です。1ボール2ストライク。三振!)
解説者:
“Splitter!”
(スプリットだ!)
実況者:
“What a game for Ohtani! Tremendous① emotion!”
(大谷のなんて(素晴らしい)試合なんだ!素晴らしい気迫!)
<主な語句>
① tremendous = [形]素晴らしい。すごい。とてつもなく大きい。
おわりに
長い連敗が続いていた中、久々の勝利をあげたエンゼルス。そんな中でも大谷選手の真剣な表情や仕草から勝利に対する執念が感じられて胸が熱くなる試合でした!